STEP1.事業計画

開業するためにはまず、事業計画をたてるところから始めましょう。
どんな事業を行うのか、その事業で開業するためには資金はいくら必要なのか、といった項目を明確にしていくことが事業成功のための第一歩です。

資金

事業を始めるにあたって必要になる資金には、初期費用としてかかる「開業資金」と、開業後に事業を継続していくための「運転資金」があります。
さらに、事業に関する資金以外にも、個人事業主と家族の「生活費」を確保しなければなりません。

開業を成功させるためには、開業に必要な資金をしっかりと見積ったうえで、「自己資金だけで十分まかなえるのか」「足りない場合はどうやって確保するのか」といったことを事前に検討することが大切です。
また、開業資金、運転資金、生活費としてどんな項目があり、いくら必要になるのかを書き出して整理していくことで、削減できるところがないか等の検討にも役立てることができます。

以下に開業資金、運転資金として必要になる項目の例をいくつかあげますので、自分の予定している事業では何が必要かをリストアップする際の参考にしてください。「何にいくらかかるのか」は、事業内容・規模・立地等様々な要因の影響を受けますので一概にはいえませんが、大きな金額になりそうなものは事前に見積りを行うか専門家のアドバイスを受けるとよいでしょう。
また、個人事業主及び家族の生活費については日々の支出を家計簿につけておけば、毎月何にいくら使うかを見積る目安になります。

開業資金の項目例

  • 事業所(店舗)を借りるための初期費用
    (敷金、礼金、保証金、仲介手数料、前家賃、火災保険料等)
  • 事業所(店舗)の内装工事費
  • 開業前に発生する備品や設備の購入費
  • 開業前に発生する広告宣伝費
  • 初回の商品、材料仕入代金
  • 許認可の取得のためにかかる費用
  • 開業までに発生する人件費

運転資金の項目例

運転資金には、売上や経営状況に応じて変化する「変動費」と、売上とは無関係に定期的に発生する「固定費」があります。

(変動費)
  • 商品、材料仕入代金
  • 外注費
  • 広告宣伝費
  • 求人広告費
  • 短期人件費
(固定費)
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 交通費
  • 通信費(電話代、インターネット使用料、切手代等)
  • 人件費

事業を始めてもすぐに軌道に乗って収入が得られるとは限りません。
数か月から1年程度は赤字も覚悟して、当面の運転資金と生活費を確保しておく必要があります。
これらと開業資金を合わせたものが開業にあたって必要な資金と考えましょう。

現在の預貯金額や退職金等、自己資金を確認し、開業に必要な資金を十分まかなえるかどうかを判断します。
もし不足している場合は銀行から借り入れるなり、融資を受けることを検討しなければなりません。
詳しくは不足資金の調達のページ(準備中)をご確認ください。

売上目標

個人事業を生活の柱と考えているのであれば、しっかりと目標を持って取り組むようにしましょう。
毎月発生する経費以上に売り上げがなくては赤字経営となってしまいますので、まずはそうならないための現実的な目標と、長期的にみたときの自分の理想目標を設定します。

短期的にみた場合の実現可能な売上目標

短期的にみた売上目標は、実際に事業を始めて必要経費や生活費をまかなうことができるのか、といった確認の意味でも重要です。
現実的な見込み売上額を算出し、改善すべき点が無いかよく検討しましょう。

  1. 毎月の見込み顧客数はいくらか
    ※マーケティング調査や専門家のアドバイス、他事業者の数値等を参考に設定
  2. 顧客1人(1件)当たりの見込み売上額はいくらか
    ※他事業者の価格設定等を参考に設定
  3. 毎月の見込み売上額はいくらか
    ※毎月の見込み顧客数×顧客1件当たりの見込み売上額=毎月の見込み売上額
  4. 資金の項で算出した必要経費(生活費含む)に満たない場合は、事業内容の見直し、販売価格の見直し、必要経費の見直し、顧客拡大のための戦略検討等を行う
  5. 上記を繰り返し、必要経費をまかなえるような現実的な売上目標を探る

長期的にみた場合の目標

事業を始めようという方なら誰しも、将来的には「こんな風になりたい」という理想を持っているのではないでしょうか。
売上金額だけでなく、こんな事業もやりたい、支店を増やしたい等といった自分なりの未来図を持つように心がけましょう。
成功した自分の姿をより具体的に思い描くことで、事業への意欲向上や、目標達成のために今何をすべきかを考えやすくなります。

とはいえ、開業してすぐに事業を軌道に乗せることは難しいものです。
特に見込み顧客数は新規開業では予測が難しく、思い通りにいきません。

そんなとき、青色申告には赤字を翌年以降最長3年間の所得から差し引くことができる「純損失の繰越控除」という制度がありますのでぜひ活用しましょう。
詳細は赤字の場合のページ(準備中)をご確認ください。

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