失業給付の受給

失業給付は、退職し再就職活動を行う人(雇用保険の被保険者)が、安心して就職活動を行えるように支給されるものです。
ただし、退職後自分でハローワークに行って求職申込みの手続きを行う必要があるほか、失業給付を受けるための条件もあります。

個人事業を始める場合でも失業給付は受けられる?

失業給付の基本手当(一般にいう失業手当)を受けられるのは、「積極的に就職しようとする気持ち」と「いつでも就職できる能力」があり、「積極的に就職活動を行っているにもかかわらず、職業に就くことができない状態」にある人だけです。
そのため、個人事業の準備を開始した段階で、失業給付の基本手当受給資格が失われます

また、個人事業を始めるつもりで会社を退職した場合も失業給付の受給資格はありません
ですが、開業しようか再就職しようか悩んでいる段階であれば、とりあえず再就職のための求職活動を行いながら失業給付を受けることも可能です。(開業の準備を始めてしまったら受給資格はなくなりますが)
退職時に会社から受け取る「雇用保険被保険者離職票」には離職理由を記載する欄があり、会社側と離職者本人がそれぞれ理由を記載できるようになっていますが、再就職する可能性があり失業給付を受けたい場合は「再就職の意志がある」ととれる書き方をしましょう。

その他、失業給付の基本手当の所定給付日数のうち3分の1以上の日数が残っている間に再就職したり、個人事業を開業することを決めて準備を始めれば、後述する再就職手当を受け取ることもできます。

事業の準備を開始、とは?

事業の準備を開始すると失業給付の受給資格が失われ、また再就職手当を受けるための条件にも事業の準備を開始した日が関わってくるのですが、具体的に事業の準備とはどこからをいうのでしょうか?

ハローワークの「雇用保険受給資格者のしおり」(ハローワークに求職の申込みに行くと貰えます)によると、

  • 事務所等の賃貸借契約
  • 資材関係の発注
  • 委託契約等の締結
  • 官公庁への許認可手続き

等を行った場合、「準備を開始した」とみられるそうです。

ちなみに管理人の場合はインターネットによるサービス業で、上記に挙げたような事由が発生しなかったため、商用サイトを作成し始めた日を「準備を開始した日」としてハローワークに申請しました。
まだ給付制限期間中のことで、再就職手当として貰える金額に影響のない期間だったためかハローワークの方も「なんとなくの日付で構いませんよ〜」と軽い感じでした。

失業給付を受けるまでの流れ

以下に、退職してから失業給付を受けるまでの簡単な流れを記載します。

  1. 退職
  2. 会社から「雇用保険被保険者離職票」「雇用保険被保険者証」等の書類が届く
  3. ハローワークへ行き、求職の申込みを行う
  4. ハローワークによる受給説明会
  5. 求職活動
  6. ハローワークによる失業認定(4週間ごとに認定を受ける必要がある)
  7. 失業給付の基本手当受給

(基本手当の受給が完了するか、再就職・事業の準備開始まで5.〜7.の繰り返し)

退職後、勤めていた会社から雇用保険被保険者離職票等の書類が郵送されてきますが、それらと共にハローワークで失業給付を受けるための案内書類が入っているはずです。
その案内書類に失業給付を受けるための条件や貰える金額の計算方法、求職の申込み時に必要な書類、最寄のハローワークの案内等が記載されていますので、詳しくはそちらをご確認ください。

ハローワークへ行く時期

会社から「雇用保険被保険者離職票」と「雇用保険被保険者証」が届いたら、できるだけ早く最寄のハローワークへ行きましょう。
失業給付の受給期間は、離職日の翌日から1年間となっており、この期間を過ぎるとたとえ所定給付日数がまだ残っていても、手当が打ち切られてしまいます(病気やけが、妊娠等によりすぐに求職活動ができない場合は、申請することで受給期間が延長されます)。

また求職の申込み後すぐに失業給付の基本手当が貰えるわけではありません。
ハローワークに求職の申込みを行った日からから7日間は「待機期間」といい、この期間は失業給付の基本手当が支給されないほか、この期間中に再就職したり事業を開始しても再就職手当が受けられません。
さらに、自己都合退職や自己責任による懲戒解雇の場合は待機期間終了後に3か月間の「給付制限期間」というものがあります。
給付制限期間中は失業給付の基本手当が支給されず、給付制限期間が始まって1か月間は事業を開始しても再就職手当が受けられません(再就職時の再就職手当支給にも条件がありますがここでは説明を省略)。

そのため、できるだけ早くにハローワークに行って求職の申込みを行うことをおすすめします。

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